海の底または近海を漂うナニカ?

きのむくままにいろいろかくですよー(≧◇≦)

夜は短し歩けよ乙女を思い出しました(*´▽`*)

夜は短し歩けよ乙女

森見登美彦先生が、書かれた小説の一冊である。

昨年度、映画化されたこともあり、今更私がわざわざご紹介する必要もないように思えるが、不意に思い出したのでご紹介したい。

 

かくいう私が、この本と出合ったのは、6年前。

暇という名の空白を持て余した私は、常日頃の如く、ぶらりぶらりと本屋を回遊していた。目まぐるしく広がる本屋の世界。しかし、探し探して歩くけど、興味を引く本はなく、はて、今日はここらで帰ろうかと思った時でありました。

ふと、私の目の隙間にちらりと映った一冊の本。

この奇妙なタイトルは何ぞや?と私が足を止めたのも当然である。

短し、乙女、とくれば、命と、恋せよ、であろう。それが何故歩けよなのか。なぜ夜なのか。ふと気づいたときには、私の心は、夜道を歩く乙女の姿が浮かんでいるだけであった。

それが、この夜は短し歩けよ乙女であり、私が初めて森見登美彦先生の本を目にした瞬間でした。

 

あらすじみたいな

この本で登場するのは、森見登美彦先生お得意の、阿呆な大学生、先輩。そして、タイトルにもなっている乙女です。

単刀直入に行きましょう。何を隠そう(隠しようもない)、先輩は、乙女に恋をしています。

果てしなく永遠と続きかねない先輩から乙女へのお友達作戦。延々と、延々と、先輩は、乙女との外堀を埋め続けます。いつぞやその堀は埋まるのか。

もはやストーカーといっても過言ではないレベルに達する先輩。乙女のために必死に駆けずり回り外堀を埋め続けます。そんな、先輩と乙女の、捧腹絶倒な一年間が繰り広げられます。果たして、先輩は、意中の乙女のハートを射ぬことができるのであろうか。みたいな感じです。

 

基本的にお話は、乙女の視点と、先輩の視点を交互に繰り返していきます。

乙女は楽しそうに夜の道を歩き抜けます。そして、その裏で先輩がどれほど阿呆な目にあっているかを交互に見ていく感じです。時折訪れる、摩訶不思議なシーン。それを別視点で見ることで、あの時のシーンはこういうことだったのか!といった面白さがあります。

 

更に、乙女の夜道を彩るのは、奇妙奇天烈な人々。その誰もが、森見登美彦先生がよく描かれる、夜の町に生きる人たちです。

楽しい人が多いですが、恐ろしい人もいます。様々な人に出会う中で、乙女は成長していくのです。

 

なんかいろいろ書きましたが、よくわからないですね。

ですけどもそんなよくわからない感じが森見登美彦先生の作品の魅力だと思います。

 

 

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

 

 ちなみに、こちらを原作として昨年映画にもなっておりますので、興味を持たれたらそちらもどうぞ。

 

ちなみに、森見登美彦先生の作品は、他にもたくさんあります。

この作品の雰囲気に近い系統の四畳半神話大系、シリーズものである有頂天家族何かもおもしろいです。

また、森見登美彦先生は、こういったふわふわした作品も書かれますが、もう一つの魅力があります。

きつねのはなしや、最近出ました夜行などの作品では、少しぞっとするようなホラーをえがかれております。

夜は短しのような作品を期待して読みますと少し面を食らうかもしれません。しかし、こういった作品の二面性とでもいえる方向の違いをえがけることが森見登美彦先生の魅力だと思います。

 

そういえば、今年の夏には、森見登美彦先生のペンギンザハイウェイもアニメ映画となります。

こちらの作品は、ふわふわとも、ホラーとも違う、先生の作品の中では少し珍しい雰囲気の作品です。爽やかな雰囲気である中で、ところどころ確かに感じる、森見登美彦先生の雰囲気を感じる作品です。

映がとても楽しみです。